新地町の漁師たち
監督:山田 徹 / 制作年:2016年 / 93分 / 日本上映スケジュール
3月14日(月)13:30〜 | ※上映後、トークあり |
福島の海に生きる、漁師として海を守る
福島県新地町の漁師たちを2011年6月から2014年11月3日の安波祭までの3年半の期間撮影した記録映画。311の津波と原発事故によって福島の漁師たちは生業としてきた漁業を自粛せざるをえなくなった。本操業の目処がたたない中、海での漁業権を持つ漁師たちと東京電力との間で増え続ける汚染水対策の一つである「地下水バイパス計画」の説明会が始まった。計画を容認するか否かの意見が同じ漁業者間でも分かれる中、いかに合意形成を図るかが問題となっていた。 津波と原発事故がもたらした未曾有の大災害は、浜の生活を一変させただけでなく、人間関係の軋轢を生み出し、さらには漁業が震災前から抱えていた問題を大きく露呈させた。単純な復興とはいかない環境下で漁師たちは何に苦しみ、何を考え、どう活動していくのか。漁師という家業、浜の伝統行事など、土地の暮らしや歴史を見つめ直しつつ、災害が生んだ矛盾や困難を描くことで、被災者の主体を越えた「我々の復興」を私たちに問いかけていく。
予告動画
ゲスト
山田 徹(やまだ・とおる)1983年、東京新宿生まれ。自由学園卒。映画美学校ドキュメンタリー科を経て、2009年からドキュメンタリー映画の製作会社である自由工房に勤務。記録映画作家である羽田澄子監督に師事する。演出助手の作品として『遙かなるふるさと 旅順・大連』(2011)、『そしてAKIKOは・・・あるダンサーの肖像』(2012)がある。そのほか個人活動として、国内アートプロジェクトの映像記録、TVドキュメンタリーの仕事に関わりつつ、2011年3月11日の東日本大震災から4年半をかけて映画『新地町の漁師たち』(2016)を完成させる。本作が初監督作品となる。 |