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うたうひと

監督:酒井耕・濱口竜介 / 制作年:2013年 / 120分

上映スケジュール

3月27日(木)16:00~  
3月29日(土)17:00~ ※上映後トークイベントあり。

またあなたのあのお話が聴きたいの。

『なみのおと』『なみのこえ』に続く東北記録映画の第三部。前二作とは一見関連性がないかに思える作品だ。昔話/伝説/世間話といった地域固有の物語を伝える「民話」。その価値は単に物語の意味内容に留まるものではない。奇想天外な登場人物たち(ときに動物、鬼、もののけ…)や、突拍子のない展開は、彼らの先祖たちが厳しい暮らしや残酷な現実の中から作り出した「もう1つの世界」でもあった。 前二作における「百年」先への被災体験の伝承という課題に対しても、東北地方伝承の民話語りから示唆を得ていた。
本作では栗原市の佐藤玲子、登米市の伊藤正子、利府市の佐々木健を語り手に、「みやぎ民話の会」の小野和子を聞き手に迎え、伝承の民話語りが記録された。語り手と聞き手の間に生まれる民話独特の「語り/聞き」の場は、前二作同様の創造的なカメラワークによって記録され、スクリーンに再現される。背景となった人々の暮らしぶりと共に語られることで、先祖たちの声がその場に甦る。映画と民話語り、両者の枠を超えた、新たな伝承映画となることを期待している。物語の考察なども含め十数話が収録された。

公式サイト:http://silentvoice.jp/utauhito/

監督プロフィール

酒井耕(さかい・こう)

1979年長野県生まれ。映画監督。現在の活動拠点は東京。東京農業大学在学中に自主制作映画を手掛け、自筆脚本による短編から中編の作品を監督する。卒業後、社会人として働いた後、2005 年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学。黒沢清、北野武に師事し、田辺聖子原作短編落語集より『ホームスイートホーム』(2006年)、修了制作作品『creep』(2007年)等を監督。課程を修了し、現在はフリーの監督として活動中。2011年~2013年にかけて、濱口と 共同で東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を 監督。その後も「せんだいメディアテーク」「みやぎ民話の会」と共同作業を継続し、宮城県に伝わる民話の記録活動を行う。

濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)

1978年神奈川県生まれ。東京大学在学中から自主映画の制作を始め、同大学文学部を卒業後、映画の助監督やテレビ番組のADとして働く。2006年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学し、修了制作『PASSION』(2008年)は国内外の映画祭で高い評価を得た。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』(2010年)、4時間に渡る長編『親密さ』(2012年)、染谷将太主演『不気味なものの肌に触れる』(2013年)等を監督。2011年~2013年にかけては東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を酒井と共同で監督した。現在は活動拠点を神戸に移し「即興演技ワークショップ」を運営している。2014年春にはワークショップ参加者出演による新作長編映画を撮影予定。
上映+トーク
2014年3月29日(土) 17:00~
上映後トーク


▶会場:特設ギャラリー
▶定員:40名
▶参加:共通1回券 または フリーパス券
▶予約:可
▶ゲスト:酒井 耕(監督)、芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)、
     相澤久美(建築家・プロデューサー)  

ご入場について

・上映のみ、トークのみのご入場は受付けておりません。
・席の空き状況により、上映5分前から当日入場も受付けます。
・ご予約の方は開始15分前から優先でご入場いただけます。
 上映会場受付けにてご予約後にpeatixからご案内する「QRコード」をご提示ください。
 ただし、開始5分前までにお越しいただけない場合は予約キャンセルとみなし、
 当日の方をご案内させていただきます。

ゲスト

酒井耕(さかい・こう)

1979年長野県生まれ。映画監督。現在の活動拠点は東京。東京農業大学在学中に自主制作映画を手掛け、自筆脚本による短編から中編の作品を監督する。卒業後、社会人として働いた後、2005 年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学。黒沢清、北野武に師事し、田辺聖子原作短編落語集より『ホームスイートホーム』(2006年)、修了制作作品『creep』(2007年)等を監督。課程を修了し、現在はフリーの監督として活動中。2011年~2013年にかけて、濱口と 共同で東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を 監督。その後も「せんだいメディアテーク」「みやぎ民話の会」と共同作業を継続し、宮城県に伝わる民話の記録活動を行う

芹沢高志(せりざわ・たかし)

1951年東京生まれ。神戸大学数学科、横浜国立大学建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計画に参加したことから、89年に P3 art and environment を開設。99年までは東長寺境内地下の講堂をベースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。帯広競馬場で開かれたとかち国際現代アート展『デメーテル』の総合ディレクター(2002年)。アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2003年~)。横浜トリエンナーレ2005キュレーター。別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』総合ディレクター(2009年、2012年)。2012年8月からデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のセンター長を務める。一般社団法人サイレントヴォイス代表理事。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、『別府』(別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』実行委員会)など、訳書にバックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』(ちくま学芸文庫)、エリッヒ・ヤンツ『自己組織化する宇宙』(共訳:工作舎)、ケネス・ブラウワー『宇宙船とカヌー』(ヤマケイ文庫)などがある。

相澤久美(あいざわ・くみ)

1997年より設計事務所を共同主宰。現在は一般社団法人サイレントヴォイスを活動母体とし映像制作・配給、各種企画制作を行う。震災専門メディア、一般社団法人震災リゲイン代表理事、『震災リゲインプレス』発行人。各地でアートプロジェクトのプロデュースも手掛ける。支え合う社会を実現するため様々な「対話」の機会を創出している。主な仕事:【建築】「都市生活者の家」「大地の景色」、【映画】『島の色静かな声』『なみのこえ』『うたうひと』他。【アートプロジェクト】「迎え火(宮城県女川町)」「GOSSA WALKING MUSEUM(淡路島)」
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