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東北記録映画三部作 第一部『なみのおと』

監督:酒井耕・濱口竜介 / 制作年:2011年 / 142分

上映スケジュール

3月10日(月) 13:00~  
3月29日(土) 11:30~  

故郷って何なんでしょうね。

濱口竜介・酒井耕監督による東北記録映画三部作 第一部。2011年に津波の被害を受けた三陸沿岸部に暮らす人々の「対話」を撮り続けたドキュメンタリー映像。姉妹、夫婦、消防団仲間など親しいもの同士が震災について対話し、そこから生成される人々の「感情」を映像に残すことで当事者としての記憶を伝えようという試み。
岩手県田老町の女性によって読まれる昭和8年3月3日の大津波の紙芝居にはじまり、気仙沼、南三陸、石巻、東松島、新地町と南下しながら、消防団員や市議会議員、夫婦や姉妹など、親しい者同士や監督自らとの対話が記録されている。津波の恐ろしさや悲惨さと復興への強い思いが混在したその声には、聞き手の存在によってこそ生まれる情感、現実感があり、未来へと伝えるべき貴重な価値を宿している。
移動の間に朗読される昭和8年津波被害を記録した山口弥一郎のテクスト、冒頭の紙芝居、土地の風景や音とともに、幾度も津波に襲われた歴史をもつ三陸の姿とそれでもそこに住み続ける人々の意志とが描かれ、故郷とは何かという問いが自ずと発生する。土地の記憶を切断してしまった出来事を、語り継ぐ言葉の一つひとつがその答えなのかもしれない。

公式サイト:http://silentvoice.jp/naminooto/

監督プロフィール

酒井耕(さかい・こう)

1979年長野県生まれ。映画監督。現在の活動拠点は東京。東京農業大学在学中に自主制作映画を手掛け、自筆脚本による短編から中編の作品を監督する。卒業後、社会人として働いた後、2005 年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学。黒沢清、北野武に師事し、田辺聖子原作短編落語集より『ホームスイートホーム』(2006年)、修了制作作品『creep』(2007年)等を監督。課程を修了し、現在はフリーの監督として活動中。2011年~2013年にかけて、濱口と 共同で東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を 監督。その後も「せんだいメディアテーク」「みやぎ民話の会」と共同作業を継続し、宮城県に伝わる民話の記録活動を行う。

濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)

1978年神奈川県生まれ。東京大学在学中から自主映画の制作を始め、同大学文学部を卒業後、映画の助監督やテレビ番組のADとして働く。2006年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学し、修了制作『PASSION』(2008年)は国内外の映画祭で高い評価を得た。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』(2010年)、4時間に渡る長編『親密さ』(2012年)、染谷将太主演『不気味なものの肌に触れる』(2013年)等を監督。2011年~2013年にかけては東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を酒井と共同で監督した。現在は活動拠点を神戸に移し「即興演技ワークショップ」を運営している。2014年春にはワークショップ参加者出演による新作長編映画を撮影予定。
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